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【最高の一日 ~模範囚311番の祈りの果て~ 】 [小説ショートショート]

刑務所

小説を読みながらBGMにどうぞ‥‥

   


俺は311番。

いつもそう呼ばれているうちに本当の自分の名前は忘れてしまったみたいに感じる。

今日、俺は看守に呼ばれた。

込み上げる笑いをこらえながら努めて普通にいつものように無表情に立ち上がり、鍵の開けられた格子をくぐると俺たちここの住人がピカピカに磨き上げて黒光りする廊下を歩いた。

後ろからは距離をあけず看守が後をついてくる。

行き先は言われなくてもいつもと同じだ。

「塀の中」を仕切るここの所長の部屋だ。



俺はここでは模範的な311番だ。

どんな理不尽な仕打ちにも耐え築いた俺のポジション。

模範囚としての俺の情報が所長の耳にも届いた頃、俺は月に一度の所長との面接の席でこう切り出した。

「ここの荒くれどもが恐れおののく所長さんと言えども税金の搾取からだけは逃れられず、さぞかし悩ましい日々を送られていることでしょうね。」

いかにも情の薄そうな貧相な唇を舐めながら所長は俺の顔を見つめたもんだ。

俺に与えられた時間はそう多くはない。

針に刺さった餌をすぐ目の前で美味しそうに行ったり来たりさせながら、間髪入れずにパクっとくわえさせなきゃいけないんだ。

そして、くわえたら一気に釣り上げる、そうしないと俺には「次」はない。

予想外の俺の言葉に訝りながらも明らかに所長は俺の「次の言葉」を待っている。


「美味しい」餌を目の前に…。


「税務署が所長さんから搾りとるのがレモンジュースだとしたら、差し出す時にちょっと薄めて出せないかって…、誰もが思いますよね?」

俺は相槌を打ったり次の言葉を促すことができない立場の所長のために一気に話し続けた。

「普通の勤め人には出来ないジュースの薄め方、所長さんの立場なら簡単なんですよ。」

「…。」

「もちろん、法を犯すなんて危険な橋を渡るようなことはせず、あくまでも合法的に。」


(ほらっ!食い付いてこい!)

俺は心の中で叫んでいた。

たっぷり美味しい餌をぶら下げてるんだ、あとはパクっていくだけだよ、所長さん…

「何の話だ?」

(まずは餌をつついてみる、か…)

俺は「外」では釣りをやる趣味はないが、このときは本当に釣りをしているような気持ちになっていた。

それもとびっきりの大物狙いだ。

「所長さん、私の仕事、ご存知でしょうか?」

わざと会話に入って来やすい質問を投げ掛けた。これは撒き餌だ。

「確か税理士、だったな。珍しい客がきたのを覚えている。」

「覚えて下さっていて光栄です。そして、この機会にもうひとつ覚えて頂けたらと思います。こんな節税の方法があるってことを…」


この後、十分に泳がせて頃合いを見計らって俺は「大物」を釣り上げた。



そして、この日からここでの俺の立場は一気に好転した。

看守たちのストレス解消のために重箱の隅をつつくようなことで制裁を加えられることも、他の部屋の奴らから食事をかっさらわれたりすることもなくなった。

そしてときどき部屋に呼ばれて所長の帳簿の作成を手伝った。

酒やたばこを勧められたり、時には食事を共にすることすら提案された。

俺はそのすべてを断った。

もちろんどれも魅力的な提案ではあったが、一時の快楽に溺れるわけにはいかなかった。

ここでは模範的な311番になりきることこそが何より優先すべきことなのだ。

そして、俺は次の行動に出た。

酒もたばこも断った俺が所長にねだったものがある。

一つはポスター。

俺が、わがままを言わせてもらえるならば、と切り出して、故郷の家の窓から見えた風景のポスターが欲しいと言った。

「この風景をもう一度見ることを励みに、ここでの勤めをきちんとして、もう一度やり直す拠りどころにしたい」、というようなことを言った。

所長は、「是非その気持ちを大事にしてここでの生活を続けて欲しい」、というようなことを言って俺の望みを聞き入れてくれた。

そして、もうひとつのアイテムは…、聖書。

俺は、「今まで自分に欠けていたのは、信仰心。自分ではきちんとした生活を送っていると思っていたにも関わらず道を踏み外してしまったのは信仰心を持っていなかったからだとここにきて気付いた、だから聖書を読むことから始めたい」、そんなことを言ったと記憶している。

所長は、「神は信じる者には皆平等に愛を授けて下さる、神のご加護があることを私からも祈ろう」、そんなことを言ってこの望みも叶えることを約束してくれた。

薄い唇から発せられる彼の言葉には、感情はほとんど感じられず唇同様薄っぺらいことがありありとわかる物言いではあったが、俺は約束に応えてくれること以上に掛けてくれた言葉に対して大げさに謝辞を述べた。

そして投げかけた笑みは所長に対してではなく、自分の計画が一歩前進したことに対してであることを胸に秘め…。



この「塀の中」には、いろいろな人間がいる。

完全に世捨て人となった者もいれば、どこにいても人に取り入るのがうまい奴もいる。

俺は誰とも交わることをしなかったが、情報通で『格子のこっち側』の物資の一切を取り仕切る、「118番」とだけは付き合いを持った。

それは俺にとってどうしても必要な人間であったからだが、奴が口の堅い信頼の置ける人間であること、そして、何故か嫌いじゃない「匂い」を感じたからでもあった。

俺は奴が信用に足る人間であることを確かめて、ひとつの「依頼」をした。

もちろん用心深い、奴のメガネにも俺が適ったということがその前提条件ではあったのだが…。

既に奴に支払う「報酬」を所長へのアルバイトで得ていた俺は、他の「客」が値切るところを充分な報酬で応えることで、奴に自分の『誠意』を伝えた。

そして、奴は充分すぎるほど俺の誠意に応えてくれた。

「爪切り」と金属製の「耳かき」と「くし」だ。

奴は物資の調達はしてくれたが、その用途については一切訊くことは無かった。

それら俺にとっての神器は、神のご加護があるようにと、聖書をくり抜いた中に大事にしまった。



俺は311番の独房で毎日少しずつ神のご加護を祈った。

クリスチャンは聖書を読むことでそれをする。

俺はクリスチャンではないので聖書から神器を取り出して壁を削っていく。

分解して利用した爪切りは先が尖っているとは言え、壁を削っていくのは途方もなく根気の要る作業だ。

へたってしまった爪切りは定期的に118番が交換してくれる。

「俺の爪がそんなに硬いのか」、という質問もせず依頼した日に間違いなく「配達」し続けてくれた。

俺はポスターに描かれた故郷の風景の「向こう側」を夢見て毎日を過ごした。

神のご加護を祈りながら…。


そして、その祈りは通じた。ずいぶんと長い時間がかかった。

これほどまでにひとつのことにひたむきになれたことは無かったと言えるだろう。

そしてそんな時間も明日で終わる…。

ここに来た絶望の時から、この日をどんなに待ちわびたことか…。


今日、看守に呼ばれ所長の部屋へ続く廊下でこみ上げる笑いを押さえるのに苦労したのは、明日のことを考えると仕方のないことだ。

この絶望的な壁の内側の住人になって以来一番苦労の要ることだと思えたほどだ。



俺は所長の部屋へ続く廊下を歩きながら、これまでのことをあれこれ思った。

所長は自分の税金が安くなることに貪欲だった。

俺は最初からすべてのテクニックを披露せずに小出しにしていった。

人間の欲には際限がない。

蜜の味を覚えたら、更にもう一杯、またもう一杯と「次」が欲しくなるのものだ。

だから俺は、常に自分が新しい「一杯の蜜」を用意できるように自分のノウハウは小出しにしていった。

恐らく今日呼ばれたのも「おかわり」が欲しくなったのだろう。

きっと所長はこんな風に切り出すだろう。

「私も何かと物入りでねぇ。」

最後の晩餐に相応しいアイデアを提供するつもりでこちらもいる。

俺はこの計画を進めていくうちに決めていた。

所長の「おかわり」の翌日にここを「卒業」しようと…。

所長は新たにもたらされる俺からの「ビッグプレゼント」に身を乗り出して応えることだろう。

そして、それが俺の「卒業祝い」になることも知らずに…。

人間は時として、大きな欲を満たすことに目がくらんで普段の細心な注意にほころびがでるものだ…。

俺にはほころびなどない…。

そして明日…、長い長い神への祈りも叶うことになる。



所長室の前まで来ると、後ろから歩いていた看守が私を追い越しドアをノックする。

「311番を連れて参りました。」

中からあの感情のこもらないいつもの声が聞こえ俺は部屋へ促され、看守はドアの外で待つ。

いつものことだ。

「座りたまえ。」

「失礼します。」

「今日は、特に頼みごとがあって呼んだわけではないのだ。」

「はい。」

「実は、今日は私から君への感謝の気持ちを込めてプレゼントをしようと思っている。」

「はい…」

「君は特に何かを求めることもせず、長きにわたって良く私の力になってくれた。これはそんな君へのささやかな私からの気持ちだ。」

「そんな、私は…」

「遠慮することはない。」

「ありがとうございます。」

「ここは房によって条件が違うことは知っていると思う。ここでのスィートルームは118番だ。 いろいろな条件が整った部屋であることは恐らく君も知っているだろう?」

「は、はぁ…。」

「実は118番は空房になった。ここだけの話だが、そこの『住人』は、『引っ越し』になった。その理由は明かすことはできないが、ここから出ていくことが決まった。」

(奴が引っ越し…。バレたのか?)

「君には118番に入ってもらおうと思う。急で悪いが今日、これから房を移ってもらいたいんだ。所長とは言え、個人的な理由で房の移動を命令するわけにはいかない。それなりの理由を作って移動を実現した。事前に知らせることもあらぬ詮索を受けぬためにやむを得ない。勘弁してくれ。だが居心地は今のところよりは格段に違うはずだから気に入ってもらえると思う。」

「い、いえ、私は今の部屋で充分満足しておりますので…。」

「遠慮することはない。私のほんの感謝の気持ちだ。」

「そ、そんな、私には、も、もったいない…。」


所長は私のひきつった愛想笑いが、サプライズに対する喜びを含んだ驚きと勘違いして喜んでいるのかも知れない。

でもそんなことはもうどうだっていい。



118番。

こんなところでスィートルームに入れたからと言ってどう喜べばいい…。

あと1日、1日だったんだ。そうすれば俺は自由の身になるはずだったんだ…。

俺は絶望に苦悩した。

大声を上げそうになるのを布団を噛み締めて何とか抑えた。

そして声を出さずに泣いた。

ふと見つめた壁‥。

奴が残していったポスター、色褪せた水着の女が笑っているのが腹が立った。

どうしても我慢できず…聖書、いや俺の道具箱を、壁に叩きつけた。

壁に跳ね返ってくるはずだった道具箱がポスターを破って「向こう側」に落ちた。

女は笑っていた。

「…!」

俺は看守がいないことを用心深く確認して、壁に走り寄り、向こう側を覗いた。



そこには長い「道」が見えた。

これは神が与えた「ご加護」なのか、それとも所長の張った「罠」なのか…。

俺はもう吸い込まれるようにその壁の穴に入っていった。

暗くて何も見えないがずっと先まで続いている。

一体、これは…。

奴が掘った地下道なのか…。

俺の穴は「ほふく前進」がやっとの人の幅しかない穴だったが、ここのは違う。

腰をかがめれば歩けるほどの立派な地下道なのだ。

どれだけそこを歩いたろうか…。

前方から明かりが漏れている。

急いで近づくと、そこにドアがあることに気づいた。

一体、向こう側に何があるんだ…。


緊張の糸が切れてしまった俺にはもう、以前のような細心の用心深さは無くなってしまっていた。

迷わずそこを開けた。

そこには正真正銘の「家」があった。

玄関から続く廊下…。

奥からは人の声が聞こえる。

俺が閉めたドアの音に気づいたらしく…。

「あっ!帰ってきた!」

「お父さん、今日はお土産、何だろう?」

子供の声だ。

「あなた、今日は遅かったのね…」

子供の母親らしい声が廊下の奥から聞こえ…。

女性が部屋から廊下に出てきて、俺と目が合った…。

一度、曇り掛けた表情の後、にっこりと私に笑いかけ、そして踵を返し、部屋に戻っていく。

「みんな、聞いて、今日から新しいお父さんが来たわよ!」

「えー!本当!じゃぁ、また新しいいろんなお話が聞けるね!やったー!」

「わーい!私、今日一緒に寝ていい?」

「ほらほら、お父さん、今日は疲れているからお話は明日よ。」

奥からは無邪気な会話が聞こえてくる。

俺は何がなんだかわからなかった。

でも不思議なくらい、この目の前の現実に抵抗する気持ちが沸き起こることがなかった。

そして、一言、声に出して言った。

「ただいま…」

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【いつものように…】 [小説ショートショート]

地下鉄ホーム

エヌ氏は今朝いつもの時間に家を出て、いつもの道を通り、そしていつもの駅に着いた。

これから会社まで1時間ほどの電車の時間だ。

ベッドタウンであるP市のこの駅からは既に通勤客ですし詰め状態だ。

いつもの車両のいつもの場所で吊革に手を掛けるとお隣のアール氏が人波を掻き分けるようにエヌ氏のとなりに乗り込んできた。

「おはようございます。」

軽い会釈とともにいつもの挨拶が交わされる。

しかしアール氏の顔つきがいつもと少し違うような気がしてエヌ氏は声を掛けた。

「今日は随分元気がないですね。どうかしましたか?」

「いえ、特にどうということはありません。ただこの満員電車にちょっと疲れてるだけですよ。」

「そうですか。ホントによくこれだけの人がいるもんだと感心してしまいます。でもマイホームを持つとなれば、こうでもしないと一生夢で終わってしまいますからね。お互いがんばりましょう。」

「おっしゃる通りです。我慢するしかないですね。」


二人はいつものように新聞に目を落とした。

それぞれの会社がある駅に電車が到着すると二人は吐き出されるように電車を降りていった。



日曜日、エヌ氏はチャイムの音で目を覚ました。

来訪者であることと、今日は朝から妻が出掛けていることに気づき、パジャマ姿のまま玄関のドアを開けた。

「おはようございます。私、個人地下鉄公社から参りました者です。」

その男は事務的に用件を説明し始めた。

話によると個人地下鉄なるものが既に開発されており、自宅の地下に駅を開設し専用の車両により会社まで運んでくれるというのだ。

まだ実験段階なので無作為に抽出した限られた人だけに契約のお勧めをしているということが付け加えられた。

エヌ氏はかなり怪しい話だと怪訝な顔つきをしていると、見透かされたように、

「大抵の方は、こちらを信用されないようです。詳しい内容を書いた案内書類を置いておきますのでご検討の上、ご希望の場合には期限内に申込書と申込金をお送り下さい。」

エヌ氏はせっかくの休日の寝坊を邪魔された上に一方的な話し方に内心腹をたてていたが、一応書類だけは預かることにした。



その夜、エヌ氏は妻に地下鉄公社のことを話した。

実はこのあたりでも何人かが既にこの「個人地下鉄公社」との契約を結び、実際に地下鉄で会社に通っていること、近所の主婦のあいだでは最近この話でもちきりだったこと、契約した人はみんな最初は半信半疑だったが、特に問題無く毎日会社に通っていることが妻の口から説明された。

妻が内心心待ちにしていたことは案内書を嬉しそうに眺める妻の表情からエヌ氏にもよくわかった。

案内書によれば自動車ローンとさほど変わらない額の使用料を支払えば契約の通り自分専用の地下鉄で毎日通勤できるのだ。



結局エヌ氏は契約を結び、いよいよ地下鉄による初出社の日を迎えることになった。

小さなホームに自分の登録番号の記された小さな地下鉄が到着し乗り込むと信じないわけにはいかなかった。

出掛けるときは久し振りに妻も見送りをしてくれた。

車両は思ったよりも小振りだが、騒音もなく快適に通勤できた。

その夜エヌ氏は、妻に地下鉄の快適さなどを話した。

妻もとても嬉しそうだ。

地下鉄ホーム003.jpg

今までに比べると使用料の負担が大きくなったが、それ以上の効果が期待できるとエヌ氏も満足していた。

「隣のご主人はまだ毎日駅に通っているみたいね。」

という妻の言葉にエヌ氏は若干の優越感も味わっていた。

しばらくはエヌ氏は快適な通勤生活を送っていた。



ある日、地下鉄公社から一通の通知が届いた。

その通知によると、年一回の保守点検作業があるので1日だけ地下鉄を利用できない日があるとのことだった。

「何も平日にやらなくても。」

と妻に不満を漏らしたが、たまにはあの満員電車を味わって地下鉄のありがたみを感じるのも悪くはないと思い直した。

点検日の朝、以前と同じ時刻に家を出て、以前と同じ駅で電車に乗った。

相変わらずのすし詰め状態だった。

エヌ氏は地下鉄のありがたみを感じる余裕も無く既に心のなかで

(何も平日にやらなくても…)

と、嫌気がさしていた。


以前の場所へやっとの思いで辿り着き新聞を広げようとするとアール氏がやはりエヌ氏と同じような形相でとなりの吊革につかまった。

「いやー。相変わらず大変な混雑ですなあ。」

エヌ氏はアール氏に若干の同情も込めてそう言った。

「ホントに。まいりますよ。」

「ところで、あなたはまだ地下鉄には加入は?」

エヌ氏は相手の気に障らないように気を遣いながらも一番きいてみたかったことをアール氏に投げかけた。

「いやー。地下鉄も便利なんでしょうけど、私はいいですよ。電車の方が広々して気持ちがいいですから。」

エヌ氏は不思議そうに聞き返した。

「確かに地下鉄はこの電車ほど広くはありませんが、それでも座って行けてとても快適ですよ。」

「いやあ、この電車も最近はすっかり利用者が減って毎日ガラガラですよ。ときには車両に私ひとりなんてこともあります。
 私は通勤中に車内をランニングしてすっかり健康的な通勤生活ですよ。地下鉄の点検日があるって聞いてたけどこんなに混むとはねえ。何も平日にやらなくても…」


そのあとのアール氏の言葉はエヌ氏の耳には入っていないようだった。

【いつものように…】
禁転載(リンクフリーです)

地下鉄ホーム002.jpg


《あとがき》

いかがでしたでしょうか、私の作品は?

以前の記事【Win95は健在だった…そして思い出が詰まった宝箱が開いた】でご紹介した、私が昔やっていたホームページに掲載していたショートショート小説です。

この小説はホームページ用に書き下ろしたものではなく、それより以前にショートショート小説の大御所 星新一さんが選者を務めた素人の投稿作品を集めた文庫本の余白に書き綴ったものをホームページ掲載用に当時を思い出して再現したものです。

私の兄が星新一さんの作品を好きで家にたくさん文庫本があったのを読んでいるうちに私もファンになりました。

(娘も小学校低学年の頃からファンになり恐らく全ての文庫本は読破していると思います)

自分も書いてみたくなって夜中に突然思い立って書いたのがこの『いつものように…』です。

確か旅行会社時代、ツタの絡まるビックリハウスで書いたと記憶しております。



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