【ピンポンが卓球に変わる 「回転(スピン)・下回転」を知る 「チョイうま卓球理論4」】 [スポーツ]
前回の【「高さ」を意識して打球する コントロールがモノを言う 「チョイうま卓球理論3」】では、高さを制御することについてご説明しました。
台のZ軸とY軸の関係による打球の変化についてもう少し深くお話を進めたいと思います。
『Z軸って何?』という方はコチラをご参照下さい
⇒ 『卓球台を座標軸で考える』
打球の変化や打ち方を考える時に今までは考慮しなかった『回転(スピン)』について度外視するわけにはいきません。
というわけで今回は『回転(スピン)』についてお話したいと思います。
・下回転
・上回転
・横回転 (右回転・左回転)
そして実際の打球はこれらの中間的な回転が存在します。
従って「下回転」は台に当たると進行方向の力を『相殺』する力がかかり打球のスピードを落とし勢いを落とす効果があります。
「球が思ったほど伸びなくて」打点のタイミングが変わってくるかもしれません。
相手のコートに弾んだ『下回転の打球』は、回転が少し弱まりながらも下回転が維持されます。
かけた回転の強さにより維持される強さも変わってきます。
「ほんの少しだけしか」かかっていない下回転は打球の進行にかかる力によって、台に弾んだ時に『相殺』されてしまうかもしれません。
まずは、台を弾んだ『下回転を維持された打球』がどの様にY軸方向に跳ね返るかを考えてみましょう。
例えば、卓球台を壁に付けて壁に当たった弾み方を観てみると下の図のように下側に跳ね返ります。
通常なら入射角と同程度に反対側、つまりは上側に跳ね返るのですが、下回転がかかった打球が壁に当たると壁に当たった瞬間に回転力によって下に跳ね返ります。
回転力が強ければ強いほど下側に急角度に落ちていくことになります。
もしラケットを壁と同様に『垂直に立ててボールに当て』れば、当たった瞬間に下に跳ね返ることになり、『ボトッと』落ち、ネットを越えることはできません。
ラケットに当たった瞬間に台をめがけて落ちていく打球にしないためには、ラケットの打面を上に向けて相手の打球をZ軸の上向きに弾ませてネットより上を通過するように上向きに力を与えてあげることが必要です。
ラケットに対するボールの上側に反発する力を利用することです。
下回転の『下に弾む力』に対抗するには、できるだけ打球に対して上向きにすることです。
『強い下回転』がかかっていれば、それだけラケットの打面を上向きにすれば、ラケットを弾んだ打球が台に向かっていくようなことがなくなります。
しかしながら、上向きにし過ぎると打球の位置によってはネットに届かず自陣のコートに落ちてしまいます。
上の図で①はラケットを垂直に立てた場合です。この場合は先述の様にラケットを弾んだボールは下に落ちてしまいます。
②は①とは逆に完全な『水平』です。垂直方向に反発力を得られますがY軸方向には反発しません。
ですからラケットを弾んだボールは上にふわっと上がってネットまで届くことなく台の自陣に落ちてくるでしょう。
また、Y軸方向に飛んでくるボールをラケットを水平にして当てるのはかなり難しく『空振り』する確率が高いです。
③は水平に近い角度で、④は③よりも垂直に近い角度で打つことになります。
③は下回転による下側に落ちる反発する力を殺す効果が高い反面、『ネットに届かせる』力が弱い角度です。
④はその逆です。
つまり③や④の角度を『ちょうど良い角度』に調節することでネットを越える打球にします。
しかしながら…
相手の打球の反発力を利用するだけでは、相手の打球に勢いがなければいくら角度を調節してもネットに届くことはできないかもしれません。
上の図の赤い矢印の様にラケットをボールの下に添えるようにしながら前に押し出すことによってボールの推進力を確保します。
この下回転の相手の打球をラケットを下に添えて押し出すようにして打つ打法は、
『ツッツキ』 なんて呼び方をします。
『突っつく』ような打ち方だから『ツッツキ』。
ちょっとカッコよい呼び名ではありませんが、卓球をしていれば誰でも知っている言葉です。
私も正式なカッコいい名称が何て言うかしりませんが、とにかく下回転の返球の基本は、この『ツッツキ』なんですね。
『ツッツキ』の重要性を説くとても参考になるのはこの動画
さてツッツキには推進力が得られる他にもうひとつ大きな効果があります。
何でしょうか?
それは『ボールの回転が逆回転になる』ということです。
ただ『当てるだけ』で返球した場合は、相手のかけた『下回転』は維持されるか、反発に伴い弱まっていくかのどちらかです。
もし『下回転が維持』された場合にはそれはコートの反対側にいて自分に向き合っている相手にとっては下回転ではなく『上回転』となります。
従って、自陣の台、ラケットと2回のバウンドを経たために回転が弱まったボールは、相手にとって『緩い上回転のかかった』正に『打ち頃』の打球なんですね。
それに対してツッツキはラケットを押し出すことによりラバーがボールをこすり逆回転させる効果があります。
従って相手にとって『下回転』の打球となって相手のコートに侵入していきます。
今まで自分が返球する時に注意していたことを相手にも必要とさせるわけです。
仮にまぐれで打ち返せたとしてもこちらがツッツキで返球すれば、継続して下回転のボールを返球しなければならずいずれはミスしてくれます。
つまり「温泉卓球業界」では『下回転を制することは大きな武器』となります。
しかし…
これが通用しない温泉卓球プレイヤーが存在します。
それはや『ツッツキ打ち』と呼ばれる打法や『ドライブ』と呼ばれる『上回転』をかける打法です。
上の動画で紹介されているのは『ツッツキ打ち』と呼ばれる打法です。
下回転のかかったボールをラケットの反発を利用して返球するのではなく、『打つ力』でボールを入れていく方法といいましょうか…。
詳細については次回以降の記事でご紹介します。
さて「温泉卓球業界」で一歩抜きん出たはずの『下回転マスター』となったあなたの強敵は、この『ツッツキ打ち』とか『ドライブ』を直感的にできてしまう人たちです。
どんなボールが来ようが、『力でねじ伏せてしまう』タイプとでも言いましょうか…。
こちらが返球したボールの『下回転のかかり具合』が程よかったりすると気持ちいいように入っちゃうんですね。
この様な人たちにはまた別の対策がありますが、今回はまず『下回転の特性』とツッツキにより返球する方法までを理解して頂きたいと思います。
当『チョイうま卓球理論』シリーズでは、実際のテクニック的なことや練習法などにはあまり触れず理論的なことだけをお伝えしていますが、今回ご紹介したような動画は非常に練習する上で参考になることが多いと思います。
是非、理屈がわかったらどうやって打てば良いのかを確認した上で、実際に卓球台を前にして試して頂けたらと思います。
〔次の記事へ〕
⇒ 【ドライブの軌跡は? 「回転(スピン)・上回転」を知る 「チョイうま卓球理論5」】
【「打点」の高さを意識する】
【ネットからの距離が与える打球への影響と卓球の特性】
【「高さ」を意識して打球する コントロールがモノを言う】
【ピンポンが卓球に変わる 「回転(スピン)・下回転」を知る】
【ドライブの軌跡は? 「回転(スピン)・上回転」を知る】
【卓球の横の動き 『ストレート?』 『クロス?』の特性を知る】
【フォアからどんなコースを狙っていけばいい?】
【「このコースに打ってみろ!」パターン別に解説してみました】
会場の『国立代々木競技場 第一体育館』はこんな感じ
プレー中は静まりかえり固唾を呑んで見守ります
ニッポン!ニッポン!はやっぱりコレ!
ミスした時にため息はご法度です(笑)
下の記事は私と息子で観戦した世界卓球のレポートです。
卓球も世界レベルはみごたえ充分です!
⇒ 【『世界卓球』観戦記 スーパープレイと感動をもらった! 2014年 in 国立代々木体育館】
2014年世界卓球団体選手権東京大会/公式サイト
テレビ東京 世界卓球特設サイト
水谷隼 オフィシャルサイト 公式ホームページ
水谷隼 Amebaブログ
石川佳純オフィシャルウェブサイト
塩野真人の On your mark!
台のZ軸とY軸の関係による打球の変化についてもう少し深くお話を進めたいと思います。
『Z軸って何?』という方はコチラをご参照下さい
⇒ 『卓球台を座標軸で考える』
打球の変化や打ち方を考える時に今までは考慮しなかった『回転(スピン)』について度外視するわけにはいきません。
というわけで今回は『回転(スピン)』についてお話したいと思います。
『回転(スピン)の種類』
打球の回転は基本的に以下の様に分類されます。・下回転
・上回転
・横回転 (右回転・左回転)
そして実際の打球はこれらの中間的な回転が存在します。
卓球における下回転とは?
球の下側で打球してラケットを手前から奥へ押し出すようにすると球は下の図の様に回転がかかります。下回転の打球が台を弾むと…
打球の進行方向に対して台に弾んだ時に反対方向に力がかかります。従って「下回転」は台に当たると進行方向の力を『相殺』する力がかかり打球のスピードを落とし勢いを落とす効果があります。
「球が思ったほど伸びなくて」打点のタイミングが変わってくるかもしれません。
相手のコートに弾んだ『下回転の打球』は、回転が少し弱まりながらも下回転が維持されます。
かけた回転の強さにより維持される強さも変わってきます。
「ほんの少しだけしか」かかっていない下回転は打球の進行にかかる力によって、台に弾んだ時に『相殺』されてしまうかもしれません。
『下回転』はラケットに当たるとこの様に弾む
下回転の打球の最も大きな影響はラケットに当たった時です。まずは、台を弾んだ『下回転を維持された打球』がどの様にY軸方向に跳ね返るかを考えてみましょう。
例えば、卓球台を壁に付けて壁に当たった弾み方を観てみると下の図のように下側に跳ね返ります。
通常なら入射角と同程度に反対側、つまりは上側に跳ね返るのですが、下回転がかかった打球が壁に当たると壁に当たった瞬間に回転力によって下に跳ね返ります。
回転力が強ければ強いほど下側に急角度に落ちていくことになります。
もしラケットを壁と同様に『垂直に立ててボールに当て』れば、当たった瞬間に下に跳ね返ることになり、『ボトッと』落ち、ネットを越えることはできません。
下回転の打球の返球の仕方
過去記事で前提してきた『軽い順回転』つまりはゆるい上回転がかかった『素直な打球』を打ち返す時には『ボールの反発』を利用して打ち返すことができますが、下回転がかかった打球を同じように打ち返そうとするとネットに引っかかってしまいます。ラケットに当たった瞬間に台をめがけて落ちていく打球にしないためには、ラケットの打面を上に向けて相手の打球をZ軸の上向きに弾ませてネットより上を通過するように上向きに力を与えてあげることが必要です。
ラケットに対するボールの上側に反発する力を利用することです。
下回転の『下に弾む力』に対抗するには、できるだけ打球に対して上向きにすることです。
『強い下回転』がかかっていれば、それだけラケットの打面を上向きにすれば、ラケットを弾んだ打球が台に向かっていくようなことがなくなります。
しかしながら、上向きにし過ぎると打球の位置によってはネットに届かず自陣のコートに落ちてしまいます。
上の図で①はラケットを垂直に立てた場合です。この場合は先述の様にラケットを弾んだボールは下に落ちてしまいます。
②は①とは逆に完全な『水平』です。垂直方向に反発力を得られますがY軸方向には反発しません。
ですからラケットを弾んだボールは上にふわっと上がってネットまで届くことなく台の自陣に落ちてくるでしょう。
また、Y軸方向に飛んでくるボールをラケットを水平にして当てるのはかなり難しく『空振り』する確率が高いです。
③は水平に近い角度で、④は③よりも垂直に近い角度で打つことになります。
③は下回転による下側に落ちる反発する力を殺す効果が高い反面、『ネットに届かせる』力が弱い角度です。
④はその逆です。
つまり③や④の角度を『ちょうど良い角度』に調節することでネットを越える打球にします。
しかしながら…
相手の打球の反発力を利用するだけでは、相手の打球に勢いがなければいくら角度を調節してもネットに届くことはできないかもしれません。
ラケットを押し出すことによって下回転のボールは簡単にネットを越える
相手の打球の反発力を利用した『ただ当てるだけ』の打ち方ではネットを越えていかないかもしれない問題はラケットを押し出すことによって解消できます。上の図の赤い矢印の様にラケットをボールの下に添えるようにしながら前に押し出すことによってボールの推進力を確保します。
この下回転の相手の打球をラケットを下に添えて押し出すようにして打つ打法は、
『ツッツキ』 なんて呼び方をします。
『突っつく』ような打ち方だから『ツッツキ』。
ちょっとカッコよい呼び名ではありませんが、卓球をしていれば誰でも知っている言葉です。
私も正式なカッコいい名称が何て言うかしりませんが、とにかく下回転の返球の基本は、この『ツッツキ』なんですね。
『ツッツキ』の重要性を説くとても参考になるのはこの動画
さてツッツキには推進力が得られる他にもうひとつ大きな効果があります。
何でしょうか?
それは『ボールの回転が逆回転になる』ということです。
ただ『当てるだけ』で返球した場合は、相手のかけた『下回転』は維持されるか、反発に伴い弱まっていくかのどちらかです。
もし『下回転が維持』された場合にはそれはコートの反対側にいて自分に向き合っている相手にとっては下回転ではなく『上回転』となります。
従って、自陣の台、ラケットと2回のバウンドを経たために回転が弱まったボールは、相手にとって『緩い上回転のかかった』正に『打ち頃』の打球なんですね。
それに対してツッツキはラケットを押し出すことによりラバーがボールをこすり逆回転させる効果があります。
従って相手にとって『下回転』の打球となって相手のコートに侵入していきます。
今まで自分が返球する時に注意していたことを相手にも必要とさせるわけです。
下回転を身に着けるだけで一歩抜きん出ることができる
温泉卓球レベルでは回転がかかったボールを返球することに慣れていませんので、下回転のサーブが打てればほぼ勝てたも同然になると思います。仮にまぐれで打ち返せたとしてもこちらがツッツキで返球すれば、継続して下回転のボールを返球しなければならずいずれはミスしてくれます。
つまり「温泉卓球業界」では『下回転を制することは大きな武器』となります。
しかし…
これが通用しない温泉卓球プレイヤーが存在します。
下回転のボールを攻撃的に返球する
下回転の基本的な返球の打法はツッツキですが、攻撃的に返球する打法があります。それはや『ツッツキ打ち』と呼ばれる打法や『ドライブ』と呼ばれる『上回転』をかける打法です。
上の動画で紹介されているのは『ツッツキ打ち』と呼ばれる打法です。
下回転のかかったボールをラケットの反発を利用して返球するのではなく、『打つ力』でボールを入れていく方法といいましょうか…。
詳細については次回以降の記事でご紹介します。
さて「温泉卓球業界」で一歩抜きん出たはずの『下回転マスター』となったあなたの強敵は、この『ツッツキ打ち』とか『ドライブ』を直感的にできてしまう人たちです。
どんなボールが来ようが、『力でねじ伏せてしまう』タイプとでも言いましょうか…。
こちらが返球したボールの『下回転のかかり具合』が程よかったりすると気持ちいいように入っちゃうんですね。
この様な人たちにはまた別の対策がありますが、今回はまず『下回転の特性』とツッツキにより返球する方法までを理解して頂きたいと思います。
当『チョイうま卓球理論』シリーズでは、実際のテクニック的なことや練習法などにはあまり触れず理論的なことだけをお伝えしていますが、今回ご紹介したような動画は非常に練習する上で参考になることが多いと思います。
是非、理屈がわかったらどうやって打てば良いのかを確認した上で、実際に卓球台を前にして試して頂けたらと思います。
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⇒ 【ドライブの軌跡は? 「回転(スピン)・上回転」を知る 「チョイうま卓球理論5」】
【「打点」の高さを意識する】
【ネットからの距離が与える打球への影響と卓球の特性】
【「高さ」を意識して打球する コントロールがモノを言う】
【ピンポンが卓球に変わる 「回転(スピン)・下回転」を知る】
【ドライブの軌跡は? 「回転(スピン)・上回転」を知る】
【卓球の横の動き 『ストレート?』 『クロス?』の特性を知る】
【フォアからどんなコースを狙っていけばいい?】
【「このコースに打ってみろ!」パターン別に解説してみました】
観戦スナップ集
~ 世界卓球 2014 in 国立代々木競技場 第一体育館
会場の『国立代々木競技場 第一体育館』はこんな感じ
プレー中は静まりかえり固唾を呑んで見守ります
ニッポン!ニッポン!はやっぱりコレ!
ミスした時にため息はご法度です(笑)
下の記事は私と息子で観戦した世界卓球のレポートです。
卓球も世界レベルはみごたえ充分です!
⇒ 【『世界卓球』観戦記 スーパープレイと感動をもらった! 2014年 in 国立代々木体育館】
2014年世界卓球団体選手権東京大会/公式サイト
テレビ東京 世界卓球特設サイト
水谷隼 オフィシャルサイト 公式ホームページ
水谷隼 Amebaブログ
石川佳純オフィシャルウェブサイト
塩野真人の On your mark!
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