【卓球の横の動き 『ストレートボール』『クロスボール』の特性を知る 「チョイうま卓球理論6」】 [スポーツ]
前回までは打球の『高さ』と『ネットからの距離』そして『打球の回転(スピン)』についてお伝えしてきました。
今回は『卓球台におけるX軸方向』についてのお話です。

『X軸って?』という方は過去記事をご参照下さい。
⇒ 【「打点」の高さを意識する 「チョイうま卓球理論1」】

ですから相手の打球が卓球台に弾んで『自分が打つべき打球の軌跡の『スタート地点』は『台上のどこか』になります。

この軌跡の『スタート地点』からどの様な方向に打球が飛んでいくかは、その打球が卓球台に弾む時に『どの方向から入射してきたか』に大きく影響します。

上の図のように自陣の右端、つまりは『フォア側』で弾むボールが相手から返ってきた場合を考えます。
もし相手が左側(自分から見て右側)からボールを返球してきた結果として、自陣のフォア側に届いた場合は、X軸方向には『ストレート』に打球が返ってきたことになります。
この時は打球に極端な横回転がかかっていなければ下の図のように打球はまっすぐな軌跡を描いて飛んでいきます。

これに対して、相手がフォア側(自分からみて右側)から返球した結果として自陣のフォア側に到達した場合には、台を弾んだボールは斜めに飛んでいきます。

この様な軌跡を『ストレート』に対して『クロス』と言います。
上で説明した様に入射角の違いで『飛んでいく方向』が違う『ストレート』と『クロス』の2つの打球には、他にどの様な違いがあるのでしょうか?

上の図のようにクロスの方が台に弾むまでの距離が長くなります。
『距離が長い』ということは同じスピードのボールなら『到達時間が長くなる』ことを意味しています。
ここで卓球とテニスの大きな違いが浮き彫りになります。
テニスには『ボレー』があります。
クロスボールでネット付近に通過する時に、相手がコートの『いい位置』、つまりはネット通過直後に打つことができる態勢にあった場合には、『即チャンスボールになる』という大変リスクを伴う打球になります。
これに対して、卓球には『ボレー』はありません。ルール上、必ず自陣でワンバウンドさせないと打球することができません。
ですからクロスボールがネット上をどんなに打ち頃の状態で通過したとしても、それが相手のチャンス、つまりは自分のピンチを招くということはありません。

上の図のように台にバウンドする『軌跡のスタート地点』からどの地点で打点するかによってX軸方向の打点が変わってくるのは『クロスボール』だけです。
例えば自分が『バック側』に位置していた場合、『ストレート』ボールは前で打っても後ろに下がって打ってもX軸のコースに変化はありませんが、『クロスボール』は上の図の赤い矢印で表されるように打点が後ろに下がれば下がる程、現在自分がいる位置から離れたところで打つ必要があります。
まず(1)の『飛距離の差・時間の差』ですが、ストレートの方が『速く相手の深い位置に到達』するわけですから、『速攻』で攻めたい時、スピード重視の攻撃の時などに有効です。
通常、相手が打球した際にどの方向にボールが飛んでくるかを判断することになりますから、『右に来る!』『左だっ!』と判断してから自陣に到達するまでの時間が短ければ短いほど判断してから『返球するまでの行動』に余裕がなくなるわけです。
総じて(1)に関して攻める側にとって『ストレートボール』は有効なコースとなります。
では守備側に回った時はどうでしょうか?
速いボールで相手に攻められた時に『返すので精いっぱい』になってしまった時に、相手の強いボールの反発力を利用して『当てるだけ』で守りを攻めに転じるようなコースに狙うことができれば、時にスピードと相まって効果があるボールが打てるケースがあります。
しかし、相手が待っているコースに打つ場合には更に自分に速いタイミングで返ってきてしまいます。
ですから、相手の立ち位置次第で自分の態勢を立て直す為に『敢えて』相手のコートにバウンドするまでの時間が長いクロスに打ち返すのも一つの選択になります。
(2)のネット通過の位置に関してはあまり気にする必要はありません。
(3)の特性は打球を受ける側に大きく影響するので、コース選定を考える上で最も考慮したい項目です。

この図でもし自分がバック側に立っていたとすれば、ボールはフォア側に『逃げていく』ことになります。
特にバックに来ると予想した場合に『逆を突かれた』ら、『ボールに追いつくこと』すらできないケースもあります。
これまで説明したことは特段難しいことではなく直感的にわかることではありますが、卓球の初心者はそのような特性を活かしたコースに返球するということについて意識しないで打ち返してしまう傾向にあるように思います。
ここを意識すると優位にゲームを進めることができるようになるのではないかと思います。
台に弾む位置を『スタート地点』として、相手がどの位置にいるかということも踏まえてパターン別にどんなコースに返球すると効果的か考えてみましょう。
〔次の記事へ〕
⇒ 【フォアからどんなコースを狙っていけばいい? 「チョイうま卓球理論7」】

【「打点」の高さを意識する】
【ネットからの距離が与える打球への影響と卓球の特性】
【「高さ」を意識して打球する コントロールがモノを言う】
【ピンポンが卓球に変わる 「回転(スピン)・下回転」を知る】
【ドライブの軌跡は? 「回転(スピン)・上回転」を知る】
【卓球の横の動き 『ストレート?』 『クロス?』の特性を知る】
【フォアからどんなコースを狙っていけばいい?】
【「このコースに打ってみろ!」パターン別に解説してみました】


会場の『国立代々木競技場 第一体育館』はこんな感じ

プレー中は静まりかえり固唾を呑んで見守ります

ニッポン!ニッポン!はやっぱりコレ!

ミスした時にため息はご法度です(笑)

下の記事は私と息子で観戦した世界卓球のレポートです。
卓球も世界レベルはみごたえ充分です!
⇒ 【『世界卓球』観戦記 スーパープレイと感動をもらった! 2014年 in 国立代々木体育館】
2014年世界卓球団体選手権東京大会/公式サイト
テレビ東京 世界卓球特設サイト
水谷隼 オフィシャルサイト 公式ホームページ
水谷隼 Amebaブログ
石川佳純オフィシャルウェブサイト
塩野真人の On your mark!
今回は『卓球台におけるX軸方向』についてのお話です。

『X軸って?』という方は過去記事をご参照下さい。
⇒ 【「打点」の高さを意識する 「チョイうま卓球理論1」】

卓球の軌跡の『スタート地点』は卓球台の弾んだ位置
卓球は『必ず相手のコートに打球が1度弾んでから打ち返す』というスポーツです。ですから相手の打球が卓球台に弾んで『自分が打つべき打球の軌跡の『スタート地点』は『台上のどこか』になります。

この軌跡の『スタート地点』からどの様な方向に打球が飛んでいくかは、その打球が卓球台に弾む時に『どの方向から入射してきたか』に大きく影響します。
X軸における打球の入射角と軌跡の関係

上の図のように自陣の右端、つまりは『フォア側』で弾むボールが相手から返ってきた場合を考えます。
もし相手が左側(自分から見て右側)からボールを返球してきた結果として、自陣のフォア側に届いた場合は、X軸方向には『ストレート』に打球が返ってきたことになります。
この時は打球に極端な横回転がかかっていなければ下の図のように打球はまっすぐな軌跡を描いて飛んでいきます。

これに対して、相手がフォア側(自分からみて右側)から返球した結果として自陣のフォア側に到達した場合には、台を弾んだボールは斜めに飛んでいきます。

この様な軌跡を『ストレート』に対して『クロス』と言います。
上で説明した様に入射角の違いで『飛んでいく方向』が違う『ストレート』と『クロス』の2つの打球には、他にどの様な違いがあるのでしょうか?
(1)Y軸方向が同じ距離なら『クロス』の方が飛距離が長い

上の図のようにクロスの方が台に弾むまでの距離が長くなります。
『距離が長い』ということは同じスピードのボールなら『到達時間が長くなる』ことを意味しています。
(2)ネットを通過する位置が異なる
ネットを通過する位置は、ストレートの場合はネットの端を、クロスの場合はネットの真ん中付近となります。ここで卓球とテニスの大きな違いが浮き彫りになります。
テニスには『ボレー』があります。
クロスボールでネット付近に通過する時に、相手がコートの『いい位置』、つまりはネット通過直後に打つことができる態勢にあった場合には、『即チャンスボールになる』という大変リスクを伴う打球になります。
これに対して、卓球には『ボレー』はありません。ルール上、必ず自陣でワンバウンドさせないと打球することができません。
ですからクロスボールがネット上をどんなに打ち頃の状態で通過したとしても、それが相手のチャンス、つまりは自分のピンチを招くということはありません。
(3)弾んだ後の打球のコースの変化の有無
台を弾んだボールの軌跡がストレートはまっすぐに、クロスは斜めに飛んでいくということは、弾んだ後のボールをどこで打ち返すかによってX軸の打点に違いが出ます。
上の図のように台にバウンドする『軌跡のスタート地点』からどの地点で打点するかによってX軸方向の打点が変わってくるのは『クロスボール』だけです。
例えば自分が『バック側』に位置していた場合、『ストレート』ボールは前で打っても後ろに下がって打ってもX軸のコースに変化はありませんが、『クロスボール』は上の図の赤い矢印で表されるように打点が後ろに下がれば下がる程、現在自分がいる位置から離れたところで打つ必要があります。
特性が及ぼす効果
この様な特性のある『ストレートボール』、『クロスボール』ですが、どの様な影響があり、それをどう受け止めれば良いのでしょう。まず(1)の『飛距離の差・時間の差』ですが、ストレートの方が『速く相手の深い位置に到達』するわけですから、『速攻』で攻めたい時、スピード重視の攻撃の時などに有効です。
通常、相手が打球した際にどの方向にボールが飛んでくるかを判断することになりますから、『右に来る!』『左だっ!』と判断してから自陣に到達するまでの時間が短ければ短いほど判断してから『返球するまでの行動』に余裕がなくなるわけです。
総じて(1)に関して攻める側にとって『ストレートボール』は有効なコースとなります。
では守備側に回った時はどうでしょうか?
速いボールで相手に攻められた時に『返すので精いっぱい』になってしまった時に、相手の強いボールの反発力を利用して『当てるだけ』で守りを攻めに転じるようなコースに狙うことができれば、時にスピードと相まって効果があるボールが打てるケースがあります。
しかし、相手が待っているコースに打つ場合には更に自分に速いタイミングで返ってきてしまいます。
ですから、相手の立ち位置次第で自分の態勢を立て直す為に『敢えて』相手のコートにバウンドするまでの時間が長いクロスに打ち返すのも一つの選択になります。
(2)のネット通過の位置に関してはあまり気にする必要はありません。
(3)の特性は打球を受ける側に大きく影響するので、コース選定を考える上で最も考慮したい項目です。

この図でもし自分がバック側に立っていたとすれば、ボールはフォア側に『逃げていく』ことになります。
特にバックに来ると予想した場合に『逆を突かれた』ら、『ボールに追いつくこと』すらできないケースもあります。
『ストレートボール』を打つか、『クロスボール』を打つか?
さて、『打点の位置』と『打つ方向』によって上の様な特性が現れることをご理解頂いた上で、どの様な局面でどの様なボールを打つと効果的か?ということに触れたいと思います。これまで説明したことは特段難しいことではなく直感的にわかることではありますが、卓球の初心者はそのような特性を活かしたコースに返球するということについて意識しないで打ち返してしまう傾向にあるように思います。
ここを意識すると優位にゲームを進めることができるようになるのではないかと思います。
【パターン1】(スタート地点:フォア)(相手の位置:バック)
ということで次回は…台に弾む位置を『スタート地点』として、相手がどの位置にいるかということも踏まえてパターン別にどんなコースに返球すると効果的か考えてみましょう。
〔次の記事へ〕
⇒ 【フォアからどんなコースを狙っていけばいい? 「チョイうま卓球理論7」】

【「打点」の高さを意識する】
【ネットからの距離が与える打球への影響と卓球の特性】
【「高さ」を意識して打球する コントロールがモノを言う】
【ピンポンが卓球に変わる 「回転(スピン)・下回転」を知る】
【ドライブの軌跡は? 「回転(スピン)・上回転」を知る】
【卓球の横の動き 『ストレート?』 『クロス?』の特性を知る】
【フォアからどんなコースを狙っていけばいい?】
【「このコースに打ってみろ!」パターン別に解説してみました】

観戦スナップ集
~ 世界卓球 2014 in 国立代々木競技場 第一体育館
会場の『国立代々木競技場 第一体育館』はこんな感じ

プレー中は静まりかえり固唾を呑んで見守ります

ニッポン!ニッポン!はやっぱりコレ!

ミスした時にため息はご法度です(笑)

下の記事は私と息子で観戦した世界卓球のレポートです。
卓球も世界レベルはみごたえ充分です!
⇒ 【『世界卓球』観戦記 スーパープレイと感動をもらった! 2014年 in 国立代々木体育館】
2014年世界卓球団体選手権東京大会/公式サイト
テレビ東京 世界卓球特設サイト
水谷隼 オフィシャルサイト 公式ホームページ
水谷隼 Amebaブログ
石川佳純オフィシャルウェブサイト
塩野真人の On your mark!
スポンサーリンク
スポンサーリンク
