【国内消費を促す景気対策 ~欲しいものは何ですか?】 [コラム集 「TAWAGOTO」]
国内消費を促す景気対策 ~欲しいものは何ですか?
「消費拡大」「金融緩和」「国内需要」「内需拡大」
景気対策としてのキーワードで、国内の需要を喚起したり、消費を奨励するような風潮ってあると思います。
景気対策としてのキーワードで、国内の需要を喚起したり、消費を奨励するような風潮ってあると思います。
「金は天下の回り物」ですから、消費を伴いお金が回ることが経済の活性化ということなんだと思います。
私は教養がないので、実はどうもこのことが良く判っていないのです。
先日、テレビでこんなことを言っているのを観ました。
「高齢者及びその予備軍が年金の破たんなどを目の当たりにして老後の生活資金として手元に『お金』を置いておきたい。
高齢化社会の到来で年齢構成の変化と相まって、どんどん『お金』がストックされて市中に出回らなくなる。
だから、お金が回ってこなくなり、モノが売れなくなり、デフレになり、企業も活力を失い、給料も上がらなくなり、労働の対価としてお金を得ている層の購買力が落ち、更にデフレが進んでいく。」
この辺のことを説明しているのを聞いて、なるほど…と思ったくらいです。
私自身、年金はどんどん厳しい時代を迎え、現在支給年齢は65歳って言ってるけど、いずれ70歳とか75歳になって、支給額も減らされて、老後の蓄えが無いと大変だなぁと漠然と思っているので、既に「働かなくなった世代」ならなおさら『お金を抱え込みたくなる』のもごもっともだと思いました。
ただ、お金ってぐるぐる回っても増えもせず減りもせず、結局のところ『有る』とこらから『無い』ところに分配させ、『無い』人を減らすということであるのかなって思います。
子供の頃は『日本』という国単位で見たら、結局は『よその国』から『お金』を『ぶんどってくる』しか『国が今より豊かになる方法はないのかな?』って考えていました。
実際、私の子供の頃は価格的な競争力のある工業製品を海外に売って外貨を稼いで豊かになったんだと思います。
資源が豊富な国でしたら『資源を切り売り』することで外貨を稼ぐこともできるのでしょうが、日本はそれがないので社会科の授業で習った『加工貿易』をして沢山売って沢山儲けて豊かになる。
私の中ではとてもわかり易かったです。
でも、『国際競争力』、ここでいうのは価格面ですが、この競争力って、国内の『人件費』に反比例するって思いもよりませんでした。
企業や製品から見たら、『人件費』ってコストかもしれませんが、もらう側にしてみればそれが『経済的な豊かさ』ってことだと思います。
豊かになると競争力が落ちる…。
そういうことなのかって…。 なんか堂々巡りのような…。
確かにハイテクの産業機械やロボットの発達で効率を上げ競争力を高めるという方法もあるのかもしれませんが、日本がアメリカの技術を吸収してアメリカの大手自動車メーカーを席巻したようなことが他の国から追随されればキリがないような…。
メタンハイドレートとか日本にありそうな資源が高値で売れれば人件費が上がっても『よその国からお金をぶんどって』来れるのかもしれませんが、なかなかそううまくもいかないのでしょうね。
ちょっと下品な物言いが続いてしまいました。
さて、私が今日言いたかったのは『他国から外貨獲得』のお話ではなく、内需で経済を立て直すというお話。
確かにお金の遣い道に悩んじゃうような億万長者の方が今までよりも財布のひもを緩くしてバンバンお金を遣ってくれれば、きっと私たち下々の人間にもお金が回ってきて潤うのかもしれません。
でも若い人よりは裕福とは言え、高齢者は将来の不安が解消されないとなかなかお金を遣わないんじゃないかなぁって思ったりします。
しかも、そんなに欲しいものなんて無いんじゃないかと…。
そりゃあ、贅沢な家に住んで、贅沢なクルマに乗って、最新式の家電に囲まれ、海外旅行にしょっちゅう出かけられた方がそうでないよりは楽しいでしょうが、そんなに渇望するほどのものでもないから将来の不安を犠牲にしてまで求めないのではないかと思ってしまいます。
消費を期待される世代の方々は、それなりに昔のライフスタイルで『ゲットすべき』モノを既に手に入れ消費なんてそんなに積極的にしたいと思っていないんじゃないかと…。
日本ってやっぱり豊かな国だから電化製品とかクルマとか欲しいと思う人たちはもう既に手に入れていて、一番欲しいのは、『健康な体』と『不安のない老後』だけなんじゃないだろうかなんて。
私自身、先述の様な素敵なクルマも都心の一等地の家ももちろん欲しいけど、無理して手に入れようなんて思わないし、そんなお金があったら将来に備えたいって思います。
とりあえず借金とはいえマイホームも手に入れて道具としてのクルマがあれば、あとはそんなに欲しいものなんてありません。
携帯電話も最小限の機能で十分ですし、パソコンだってお手頃価格で買えるようになり、これ以上の高機能商品なんて私の頭が追いつかないから別に要りません。
お風呂の湯沸しも洗濯もタイマー付きで自動でやってくれるしクルマなんて遠くからボタンを押せばドアのカギが開閉しちゃう、もう充分です。
確かにもっとお金があれば海外旅行にも行きたいし、いつも贅沢な食事の方がいいけど別に行かなくても十分楽しいし食事だってお腹が満たされ家族揃って団らんしながらひもじい思いをせずに食べられたらそれで十分な気がします。
確かに若い頃はクルマもなくどこへ行くにも自転車か公共交通機関しかない時は不便だと思いましたし、私より若い世代で当時の私と同じように思っている人たちにとってみれば、まだまだ欲しいものはたくさんあるのかもしれませんが、恐らく国内の消費でお金を循環させる最初は若い世代からではなく、お金をストックしている『満たされた世代』なんだと思います。
その人たちは本当に老後のストックを犠牲にしてまで欲しいものってそんなにあるかなぁ。
そんな疑問なんです。
ホント、世の中のことを知らないしお金持ちの知り合いもいないので、こんなことしか思いつかないのですが…。
まぁ、個人消費に期待する一方で税金⇒公共投資による再配分てのも、もう一つの方法かもしれませんけどね。
こちらは自民党はバンバンやりますよ!って感じですから期待感が高まっているのかもしれませんね。
個人の興味や趣味・趣向ではなく、国の方針で『消費』しちゃうわけですから。
『やる』と言ったら、『やる』んでしょう…。
税金の機能の一つが『富の再配分』ってことでしょうから、まぁ理にかなっているのかもしれませんね。
先日の中央自動車道笹子トンネルの天井崩落事故の教訓で『新しい投資』より現状の施設の『維持・管理』で、お金の遣い道は手一杯だろう、という論調も出てきましたね。
同じ金を使うなら、あとで『足りなくなっちゃったから、もっとちょうだい』って言わないように優先度の高いものから遣って欲しい気がしますが…。
少なくとも、更に維持・管理にお金が必要で一種の『負債』を抱え込む様な投資は勘弁して欲しい気がします。
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