【消費税あれこれ 輸出企業の益税って…】 [会計・経理・税務]
消費税増税法案も決まり、消費税は今まで以上に我々の生活に影響が大きい税金になります。
2015年10月(あと約3年ですね)には、今までの倍の消費税がかかることになります。
さて、今回は消費税をテーマにあれこれお話できればと思っております。
いろいろな方面で語られている、輸出企業にとっての消費税還付について考えてみたいと思います。
その前に、簡単に消費税の簡単な仕組みをご紹介します。
消費税は文字通り、消費者が負担する税金です。
しかし、消費者が1年間の買い物に係る消費税を計算して直接国に納めるわけではありません。
買い物をするときに消費税込のお金をお店に支払って消費者サイドの納税は完了です。
でも、お店は「今日の預かった消費税です。」って、税務署に持っていくわけでもありません。
年間の収めるべき消費税を「消費税確定申告」によって計算、報告して、その金額を納めているのです。
でも…
ここで、単純でないのは、
お店もなにがしかの「買い物」をしていることです。それをどうするかって問題があります。
例えば…
電気屋さんでパソコン 105,000円(消費税込) を売っています。
消費税 5,000円です。お客さんから預かった消費税です。
一方…
この電気屋さんは、当然メーカーからパソコンを仕入れます。
例えば63,000円(消費税込)だったとします。
メーカーに支払った消費税は3,000円です。
電気屋さんの納めるべき消費税…5,000円-3,000円=2,000円です。
何故、このようになるのかは省略しますが、簡単にいうと、
「売上でもらった消費税」から「仕入れで支払った消費税」を差し引いて差額を国に納めています。
もう一つ、消費税の仕組みの大事な点に、
「消費税の対象は『国内』で消費するものだけ」
ということが挙げられます。
つまり、輸出品には消費税は課せられません。
そうすると…
払った消費税ってどうなっちゃうの?って気になりますよね?
例えば、売上が輸出しかない企業A社があるとします。
国内のパソコンメーカーからパソコンを仕入れて海外の電気屋さんに売る商売だとします。
売上が100億円だとします。
国内に対してならば5億円の消費税を上乗せして、お客さん(電気屋さん)から代金105億円を頂きますが、
輸出には消費税はかかりませんので海外のお客さんから100億円ぽっきりを頂きます。
でもパソコンメーカーから請求される仕入れ値には消費税が含まれています。
60億円の仕入れ値に3億円の消費税が上乗せされて63億円で仕入れます。
先ほどの消費税の計算、国に納める税金計算をあてはめますと、
(売上に係る消費税)-(仕入れに係る消費税)=(納めるべき消費税)
ですから…
0円-3億円=マイナス3億円
これってどうなると思います?
国からお金がもらえると思います?
それとも、納めることも、もらえることもなくゼロだと思います?
それとも、国内に売ったことを想定して、
5億円-3億円=2億円
を納めていると思います?
正解は…
この輸出企業A社は、
3億円を国からもらっています。
毎年このような売上・仕入状況でしたら、毎年3億円が国から「還付」されます。
国は消費税を広く浅く集めて、
輸出企業にお金を還元しているのか?
ちなみに、日本の輸出のトップ企業とも言える会社の年間の消費税の還付金額は、
年間2,000億円以上と言われています。
これだけ見ると、何だか、
「納得いかない!」
って、暴動が起きそうですね。
実際、このような論拠で輸出企業をやり玉に挙げている人も沢山います。
でも、これってそれほど単純な話でもなさそうです。
次回、この辺の考察を深めていこうと思います。
⇒【消費税あれこれ 輸出企業の損得勘定】
2015年10月(あと約3年ですね)には、今までの倍の消費税がかかることになります。
さて、今回は消費税をテーマにあれこれお話できればと思っております。
いろいろな方面で語られている、輸出企業にとっての消費税還付について考えてみたいと思います。
その前に、簡単に消費税の簡単な仕組みをご紹介します。
消費税は文字通り、消費者が負担する税金です。
しかし、消費者が1年間の買い物に係る消費税を計算して直接国に納めるわけではありません。
買い物をするときに消費税込のお金をお店に支払って消費者サイドの納税は完了です。
でも、お店は「今日の預かった消費税です。」って、税務署に持っていくわけでもありません。
年間の収めるべき消費税を「消費税確定申告」によって計算、報告して、その金額を納めているのです。
でも…
ここで、単純でないのは、
お店もなにがしかの「買い物」をしていることです。それをどうするかって問題があります。
例えば…
電気屋さんでパソコン 105,000円(消費税込) を売っています。
消費税 5,000円です。お客さんから預かった消費税です。
一方…
この電気屋さんは、当然メーカーからパソコンを仕入れます。
例えば63,000円(消費税込)だったとします。
メーカーに支払った消費税は3,000円です。
電気屋さんの納めるべき消費税…5,000円-3,000円=2,000円です。
何故、このようになるのかは省略しますが、簡単にいうと、
「売上でもらった消費税」から「仕入れで支払った消費税」を差し引いて差額を国に納めています。
もう一つ、消費税の仕組みの大事な点に、
「消費税の対象は『国内』で消費するものだけ」
ということが挙げられます。
つまり、輸出品には消費税は課せられません。
そうすると…
払った消費税ってどうなっちゃうの?って気になりますよね?
例えば、売上が輸出しかない企業A社があるとします。
国内のパソコンメーカーからパソコンを仕入れて海外の電気屋さんに売る商売だとします。
売上が100億円だとします。
国内に対してならば5億円の消費税を上乗せして、お客さん(電気屋さん)から代金105億円を頂きますが、
輸出には消費税はかかりませんので海外のお客さんから100億円ぽっきりを頂きます。
でもパソコンメーカーから請求される仕入れ値には消費税が含まれています。
60億円の仕入れ値に3億円の消費税が上乗せされて63億円で仕入れます。
先ほどの消費税の計算、国に納める税金計算をあてはめますと、
(売上に係る消費税)-(仕入れに係る消費税)=(納めるべき消費税)
ですから…
0円-3億円=マイナス3億円
これってどうなると思います?
国からお金がもらえると思います?
それとも、納めることも、もらえることもなくゼロだと思います?
それとも、国内に売ったことを想定して、
5億円-3億円=2億円
を納めていると思います?
正解は…
この輸出企業A社は、
3億円を国からもらっています。
毎年このような売上・仕入状況でしたら、毎年3億円が国から「還付」されます。
国は消費税を広く浅く集めて、
輸出企業にお金を還元しているのか?
ちなみに、日本の輸出のトップ企業とも言える会社の年間の消費税の還付金額は、
年間2,000億円以上と言われています。
これだけ見ると、何だか、
「納得いかない!」
って、暴動が起きそうですね。
実際、このような論拠で輸出企業をやり玉に挙げている人も沢山います。
でも、これってそれほど単純な話でもなさそうです。
次回、この辺の考察を深めていこうと思います。
⇒【消費税あれこれ 輸出企業の損得勘定】
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