【ヘッドハンティング企業への訪問 そして決断 ~経理管理職の転職11~】 [私の転職活動]
ヘッドハンティングを受けた企業へいよいよ訪問です。
社長面談では、社長さんから
「是非、今度、当社の工場を見に来てください。」
とのお誘いを受けていて、ハンター君から連絡があり、3月7日に見学に行くことになりました。
広い敷地に工場があります。
本当に工場ですね、クリーニングって。
工場長じきじきに工場を案内してくれることになりました。
一般の個人客以外に都内のホテルなどから集められた大量の「洗濯物」を機械化された工場で短時間でさばいていく仕組みなっていました。
特にホテルのベッドのシーツやタオルなどは一度に大量に処理するため、工場内をベルトコンベアーなどで運ばれ、大きな機械の中を通ると、綺麗になって出てくるようになっていたり…。
一通り説明を受けたら、工場の事務所に案内されました。
今回は総務部長との面談ということになりました。
安かろう、悪かろうではなく、品質にこだわって効率化と高品質にこだわって高額な機械を導入したり環境に配慮して水などの循環システムを採用していることが会社の自慢のようでした。
皆さん、誇りをもって仕事をしているようです。
実際に入社した時のポジションとしては経理以外にも総務業務も任せたい、また幹部として常にし続けている業務改善や中期計画などにも参画してほしいという、お話でした。
そのため現場での作業もいずれ体験して欲しいということでした。
現場を知らないで経営の話はできないということのようです。
クリーニング業という業種には、さほど興味は湧きませんでしたが、ポジションとしてはなかなか面白いなとは思いました。
ルーチン業務が苦手な私にとっては日々刺激があって良いのではないかと思いました。
この日は会社の状況や用意しているポジションを説明されて終わりました。
通常の案件であれば、
「面談の結果を後日お伝えします。」
という感じなのでしょうが、今回はそういう展開にはなりません。
要は、いろいろな選考が継続して行われ、どこかで、社長が
「こいつに決めた!」
ってなった時が最終選考結果となるようです。
ですから、いつ採用になるかというスケジュールの提示は事前にはありません。
私と同様に工場見学をしたりしている候補者がほかにもいるんでしょうね。
工場から最寄駅に戻る道すがら、ハンター君とお話しをしました。
非常に私に良い話だから、是非前向きに検討して欲しいということでした。
年収についても交渉の余地があるので中途半端な案件で妥協しないようにして欲しいとも言います。
前職の源泉徴収票が収入実績として次の就職先での基礎となるので「前職を汚さない」ことも大事だというようなことを言われました。
並行していろいろな案件と向き合っている時期でしたが、その件には触れずに相槌を打っていました。
アドバイスを受けるのはありがたいのですが、どうしても、
「私の案件が何よりも素晴らしい!
だから、言うことを聞いてこのまま話を進めるのが一番なんですよ。」
っていうスタンスが鼻につきました。
ここまで自信に満ちた営業スタンスを貫き通すハンター君にちょっと興味を持ちました。
そこでハンター君の身の上話でも聞き出してみようかなって気になりました。
「いろいろご相談もしたいので、駅前の喫茶店でお話でもしませんか?」
などと誘って、ちょっとお話を聞いてみることにしました。
彼はまだ3年程度の経験ですが、今の会社の営業スタイルを気に入っているようです。
ヘッドハンターは人事担当者よりも経営者の方とお話しをする機会が多いようで、一緒に仕事をしているうちに、なんとなく自分のキャリアが急激にアップしたように錯覚している感じがします。
ただ求職者の私としては経営者の情報をナマで持っている彼は貴重な情報源です。
今後ともお付き合いよろしくお願いしますって感じです。
さて、この会社を私はどのように評価していたかというと…
クリーニング業界とか、この会社の業績とかそういう面では特に将来性が高いとは思いませんでしたが、ヤバい会社でもなさそうで、私の中では合格でした。
採用ポジションについては、ある意味、
「事務方の何でも屋」
を要求しているんだろうなと理解しました。
何でも理解して動ける事務方って経営者にはありがたい存在ですからね。
面白いと思う反面、入ったら苦労するだろうなぁっていうのが、私の印象でした。
はっきり言って背負う荷物は非常に重く、多分プレッシャーは相当で、肉体的にもハードなものを要求される予感がしました。
そういう意味で面白そうでもあり、臆する面もあるというところでしょうか…
それまでの転職のように数少ない案件の中での活動でしたら、かなり対象候補として上位にランキングしたと思いますが、既に沢山の案件と向かいあっている中では、やっぱり、いろいろな比較検討をして考えますので、喜んで飛びつくという感じではありませんでした。
また、何より最大のネックは通勤の問題です。
一言で言うと、 「遠いんです、この会社」
単身赴任するほどの距離ではありませんが、毎日電車で通勤するには、ハード過ぎる立地です。
かといって、セカンドハウスを持つほど余裕はないし、そこまでしてこだわるほどのプラスポイントは感じません。
会社をこよなく愛する社長さんからは非常に好印象を頂き、嬉しいながらもハードな通勤をしてでも勤めたいとまでは思えなかったのです。
工場見学をする前にも、ハンター君には、「通勤が遠すぎて、ちょっと考えている」旨を伝えていたのですが、この問題は解決しようがありませんので、私の意思次第です。
私は非常にありがたいお話ではありましたが、これ以上お付き合いさせるのは、あの人柄の良い、社長、工場長、総務部長に申し訳ないと思い、3月31日に正式にハンター君にお断りしました。
ハンター君は、私の決断が意外だったようで、再三、撤回を求めてきましたが、きっぱりと断りました。
恐らく私の意思を突き動かすほどの魅力があったら、非常に大きい障害である通勤時間も私は何とかしたと思いますが、そこまでには至らなかった案件です。
メンターの高見さんからの提言
「まずは『合格通知』をゲットすること」
に反して今回は自分から降りてしまいました。
高見さんのこのアドバイスは何よりも重視していたのですが、
「自分の信条に反する行動はしない」
ことは大事だと考えていました。
その分、他の案件でより一層頑張ればいいんだと自分に言い聞かせました。
ということで、ワールドカップ最終予選は、
「途中棄権」
という結果で終わってしまいました。
あまり面白い展開ではなかったかもしれず、申し訳ありません。でもこれが事実なんです…
それでは、次回をお楽しみに…
シリーズ
〔経理管理職の転職〕
〔経理管理職の転職〕
経理課長として勤務していた企業がリーマンショックの影響をもろに受け転職を余儀なくされ立ち向かった経理マンの転職の記録
〔15〕
人材紹介会社の担当者次第でうまくいかないこともある…
人材紹介会社の担当者次第でうまくいかないこともある…
確かに買い手市場のこの時期、求職者に主導権がないので大抵のことは飲みますが、これから入る会社の給料を「セリにかけられるような真似」をされて「はいそうですか」とホイホイ応えられません。
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【ヘッドハンティングでいきなり社長面接 ~経理管理職の転職10~】 [私の転職活動]
ヘッドハンティングを受けた企業の社長との面談。
ホテルのロビーでヘッドハンターと待ち合わせして、簡単な打ち合わせをして、すぐに社長と待ち合わせのラウンジへ。
社長がどんな人かは想像が膨らんでいましたが、予想と反して「物腰の柔らかい紳士」という感じでした。
私の今まで会った人の経験からすると「技術者出身の方」に多い雰囲気を醸し出してました。
膨らんでいた妄想ではちょっとギラギラした、「成金」的な人を想像して、ちょっと身構えていたので、
「あ、普通の人だ」
というのが第一印象でした。
ハンター君が私の簡単な紹介をしたのちに、私が今までの経歴や転職活動をしている経緯などを説明しました。
そこまでが一般の面接と同様なやりとりで、そのあとはどちらかというと雑談のような雰囲気でした。
ラウンジでコーヒーを飲みながらの面談ですし、机を挟んだ対面ではなくテーブルを挟んでの距離が近いので、雰囲気が面接とはだいぶ異なります。
仕事に対する姿勢や私の人柄を知りたい感じでした。
テレビで「人柄登録始めました!」なんてCMしていますが、経営者は人柄を重視するようです。
社長さんから通常の求人活動ではなく、「ヘッドハント」という手法を採用した経緯の説明を受けました。
「自分の右腕になってもらうために、自分が直接人物を見極めたくてこんな方法をとっている。」
というようなことを言われました。
それから会社の説明をしてくれましたが、やっぱりここには熱が入ります。
過去の社長面接でも経験しましたし、会計事務所時代には社長さん相手に話をしてきましたので、
「やっぱりな…」
という印象でした。
社長さんは自分の会社の事を語るとき熱くなるのです。
自分の子供の自慢するように、いやそれ以上に熱弁をふるうという特徴があります。
これは大企業の「やとわれ社長」より「オーナー社長」の方が圧倒的に顕著です。
「絶対これは話が長丁場になるな」
と思いながら、社長の心をくすぐるような相槌をするように努力しました。
拡張路線を取っているなら、
「企業は設備投資を止めてしまうと成長が止まってしまいます。
景気が悪くても設備投資をし続けるには勇気が要りますが、それが後の結果を生むんですよね。」
なんて言っちゃったりします。
その時に話の腰を折らないタイミングを見計らって、
「設備投資が『無謀な賭け』になるのか、将来を見越した『先見性のある投資』になるのかの分かれ目が『数値に基づいた冷静な投資判断』だったりしますよね。
これからは勘ではない経営が重要になりますからね。」
なんて偉そうなことも言っちゃいます。
いきなりこんなことを言ったら「何言ってんだ、この若造!」って気分を悪くしちゃいますが、既に会社が成功していることを語ってのことですから、
「まさにその通りなんです!」
なんて膝を詰め寄って更に熱弁に力が入っていくのです。
さりげなく、
「そういう時に経理的なスキルで社長のサポートをしたい」
というようなメッセージを込めながら、相槌を打っていくわけです。
私はどんな立場の人でも割と緊張しないでしゃべれちゃうので、こんなおこがましいことでも平気で言ってのけちゃいます。
言葉やタイミングをよーく選んで発言しているつもりですが、
「あー、今日もしゃべりすぎちゃったな」
なんて反省することも多いですが…。
とにかく社長が熱弁を奮って頂いたお蔭で、私もいつもの調子で滑らかなトークをすることができました。
そんな感じで割と良い雰囲気で(もちろん私の勝手な印象ですが)、社長との面談を終え、
「是非、今度当社の工場を見に来て下さい。」
とのお誘いを受けました。
ハンター君はすかさずソツなく、
「それでは私の方から後日、はるさんに日程などのご案内をさせていただきます」
なんてフォローをしてきます。
当然、ハンター君の手元には、私以外にもこの社長さんへ提供する「駒」があるわけで、私が最善の駒なのかを検討してから日程の提示をするとかの計算があるわけですね。
この案件に関わって途中から気づきました。
一般の選考は、書類選考、一次面接、二次面接、役員面接と段階を追うごとに選考がなされ、そのたびにふるいにかけられ、人数が減っていきます。
今回のパターンは、ハンターによって候補者が選抜されたあと、全員がそれぞれの選抜を受ける機会を得て、競い合う形になっているようです。
一般の形がトーナメントとすれば、ハンター君の案件はリーグ戦による勝ち点を取っていく方式でしょうか?
私はこの後、アジア最終予選を勝ち上がり、ワールドカップ出場権を獲得し、ワールドカップで優勝を勝ち取れたのでしょうか…
それでは、次回をお楽しみに…
シリーズ
〔経理管理職の転職〕
〔経理管理職の転職〕
経理課長として勤務していた企業がリーマンショックの影響をもろに受け転職を余儀なくされ立ち向かった経理マンの転職の記録
〔15〕
人材紹介会社の担当者次第でうまくいかないこともある…
人材紹介会社の担当者次第でうまくいかないこともある…
確かに買い手市場のこの時期、求職者に主導権がないので大抵のことは飲みますが、これから入る会社の給料を「セリにかけられるような真似」をされて「はいそうですか」とホイホイ応えられません。
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