【ドライブの軌跡は? 「回転(スピン)・上回転」を知る 「チョイうま卓球理論5」】 [スポーツ]
前回の【ピンポンが卓球に変わる 「回転(スピン)・下回転」を知る 「チョイうま卓球理論4」】では、下回転についてご説明しました。
下回転の打球のやりとりはラリー序盤でよくあるパターンですので基本的なことを知り対処できることがラリーを続けていく上で重要です。
今回は『回転(スピン)』のもうひとつのパターン『上回転』についてお話したいと思います。
豪快なドライブの応酬は卓球観戦の大きな醍醐味です。
こんなラリーを続けられたら気持ちいいですね。
この少女のイラストは下から上にラケットを振り抜いた、正にドライブを打った瞬間です。
攻撃の花形でもある上回転(トップスピン)をかけたドライブという打法。
今回はこのドライブについて理論的な要点をまとめていきたいと思います。
下回転の説明の時と同様に台をバウンドした打球が壁に当たった時の弾み方を見てみましょう。
下回転の時とは逆に入射角以上に『鋭角』に上方向に弾みます。
この鋭角具合は回転がかかればかかる程鋭く上に弾んでいきます。
特に上の動画をご覧になるとお分かりになると思いますが、下回転を掛けるのに比べて、上回転をかけるときには、フォアハンドで豪快に行うことが可能なので回転力の強いドライブを打つことが可能です。
下回転に比べると強い上回転がかかっているため、ラケットに当たった瞬間に強烈に上に弾むボールを打ち返さなければならない局面が多くなってきます。
ラケットに当たったボールが上に飛んで行かない様に『相手の打球を抑え込む』様に打つことになります。
ラケットの角度は垂直の①だとそのまま上に飛んで行ってしまいます。
②の水平ですとボールを当てることは不可能です。
ですから③や④の様に『下向き』に当ててあげます。
回転が強ければ水平に近い③の様な角度で、弱ければ④の様にラケットを立ててあげます。
下回転が打球の進行方向に対して『相殺する』力が働くことやそもそも打つ時に進行方向と逆方向に力を与える打ち方なので球威がない打球であるのに対して、ドライブは打球の進行方向に力がかかっているので台を弾んでも球威の衰えが少なく勢いよくラケットを弾くので回転力を抑えると同時にボールの勢いも殺さなければなりません。
従ってドライブに慣れていない人にとっては『思っている以上』に球威を抑え込む角度が必要だということに気づくことになると思います。
その打球の軌跡が下回転や『緩い上回転』や無回転(ナックル)とは大きく異なります。
強いドライブの打球は球が下向きに軌跡を描く力が働きます。
台の下から打ったボールは回転がかかっていなかったりした場合、打点の時にラケットがボールに与えた方向に力が働きます。
この場合、ネットを越えるため勢い良く上に向かって打つとそのまま相手のコートに弾むことなく飛んで行ってしまい、『オーバー』となってしまいます。
相手コートに入れるためには、打つ力を調節して球の勢いが程よく殺され、重力でボールが落ちるようにします。
この打ち方だと相手にとって程よいスピードでしか返球ができません。その軌跡は『放物線』を描きます。
ふわっとした打ち頃のボールを返してしまい易いのです。
しかし、上の図の様にドライブで返すと強い回転力によってボールの軌跡は下へ、下へと描きます。
そのためラケットで強くボールを当てても、
『ネットを越えたボールがそのままその勢いで相手コートに弾まずに飛んで行ってしまう』、
ということがありません。
放物線を描いたボールの軌跡よりもはるかに手前にボールは着地するのです。
ですから相手に厳しいコースを突かれて打点が下がってしまったような場合にも、
『お決まりのチャンスボールを返してしまう』という悪循環から抜け出させてくれます。
ドライブには攻撃的な側面だけに目が行きがちですが、防御にも強い武器となる打法なんですね。
相手にたやすくチャンスボールを返さないためにも覚えておきたい打法です。
上回転がかかっているということは、進行方向に対して『下へ、下へ』と軌跡を描きたがる打球なのは、打球してネットを越える時だけでなく相手の台を弾んだ後も維持されます。
この軌跡の傾向も回転力の強さに応じて変わります。
ドライブが他の回転と比べて『強く』かけることができる(し易い)打法であることから、強くその傾向が現れやすいのです。
『温泉卓球プレイヤー』から見ると、強いドライブがかかった打球は思っているよりも低い弾道を描くのです。しかも台に弾んだ後もスピードが維持されています。
台を弾んだ打球は『低く伸びる』ボールに見えます。
これに慣れていないプレーヤーは『差し込まれる』ような格好になって、『振り遅れ』て思う様に返球できないことになります。
これに安定的に対応する比較的な対応方法は、
『速い打点』を心がけることです。
自陣の着地点を素早く予測して台に着地して弾んだ後すぐに打球することです。
スピードも回転も強くかかった打球を返球するには角度の調節が大変ですが、打点のブレを防ぐにはできるだけブレの確率が低い着地点付近で台に弾んだ直後のボールをラケットに当てることです。
当てるラケットの角度さえ間違えなければ意外に入ってくれます。
この時に狙うのはできるだけネットすれすれの高さにラケットの角度を調節して打球することです。
その時にもし相手のコートにバウンドすることなく『オーバー』してしまうようでしたら、それは打点が低すぎる、つまり打点が早過ぎるということですので、気持ち打点を遅らせて打点を上げてみます。
この打点の高さと打球の軌跡の関係は過去記事を参考にしてみて下さい。
⇒ 【「打点」の高さを意識する 「チョイうま卓球理論1」】
とにかく『適切な角度でラケットに当てる』ことだけに専念して下さい。
ラケットを振るようなことはせず、『当てるだけ』です。
ドライブは強烈な力とスピードがありますので、ラケットを振りまわすと余計な力で思わぬ方向に飛んで行ってしまったり、『角度の調節』の精度が下がるなどのデメリットがあるからです。
そして、もともと速い打球ですから当てるだけでも結構速い打球が返ります。
ですからコースさえ良ければそれだけで攻撃力があります。
無理してラケットを振りまわして高く上がった打球を返球するくらいなら、低い打点で相手のスピードを利用して鋭いコースに低い打球を返す方がはるかに『攻撃力』のある打球になるのです。
自信を持った相手のドライブを鋭いコースに返球してキマッた時には結構気持ちいいものです。
是非それを味わって欲しいものです。
〔次の記事へ〕
⇒ 【卓球の横の動き 『ストレート?』 『クロス?』の特性を知る 「チョイうま卓球理論6」】
【「打点」の高さを意識する】
【ネットからの距離が与える打球への影響と卓球の特性】
【「高さ」を意識して打球する コントロールがモノを言う】
【ピンポンが卓球に変わる 「回転(スピン)・下回転」を知る】
【ドライブの軌跡は? 「回転(スピン)・上回転」を知る】
【卓球の横の動き 『ストレート?』 『クロス?』の特性を知る】
【フォアからどんなコースを狙っていけばいい?】
【「このコースに打ってみろ!」パターン別に解説してみました】
会場の『国立代々木競技場 第一体育館』はこんな感じ
プレー中は静まりかえり固唾を呑んで見守ります
ニッポン!ニッポン!はやっぱりコレ!
ミスした時にため息はご法度です(笑)
下の記事は私と息子で観戦した世界卓球のレポートです。
卓球も世界レベルはみごたえ充分です!
⇒ 【『世界卓球』観戦記 スーパープレイと感動をもらった! 2014年 in 国立代々木体育館】
2014年世界卓球団体選手権東京大会/公式サイト
テレビ東京 世界卓球特設サイト
水谷隼 オフィシャルサイト 公式ホームページ
水谷隼 Amebaブログ
石川佳純オフィシャルウェブサイト
塩野真人の On your mark!
下回転の打球のやりとりはラリー序盤でよくあるパターンですので基本的なことを知り対処できることがラリーを続けていく上で重要です。
今回は『回転(スピン)』のもうひとつのパターン『上回転』についてお話したいと思います。
ドライブってどんな?
卓球のみごたえの一つにドライブの打ち合いがあります。豪快なドライブの応酬は卓球観戦の大きな醍醐味です。
こんなラリーを続けられたら気持ちいいですね。
この少女のイラストは下から上にラケットを振り抜いた、正にドライブを打った瞬間です。
攻撃の花形でもある上回転(トップスピン)をかけたドライブという打法。
今回はこのドライブについて理論的な要点をまとめていきたいと思います。
上回転の弾み方
上回転の打球がラケットに当たった時にはどうなるのでしょうか?下回転の説明の時と同様に台をバウンドした打球が壁に当たった時の弾み方を見てみましょう。
下回転の時とは逆に入射角以上に『鋭角』に上方向に弾みます。
この鋭角具合は回転がかかればかかる程鋭く上に弾んでいきます。
特に上の動画をご覧になるとお分かりになると思いますが、下回転を掛けるのに比べて、上回転をかけるときには、フォアハンドで豪快に行うことが可能なので回転力の強いドライブを打つことが可能です。
下回転に比べると強い上回転がかかっているため、ラケットに当たった瞬間に強烈に上に弾むボールを打ち返さなければならない局面が多くなってきます。
上回転の打球の返球の仕方
回転のかかった打球を返球する時には反発する方向を『相殺する』角度にラケットを調節して当てることです。ラケットに当たったボールが上に飛んで行かない様に『相手の打球を抑え込む』様に打つことになります。
ラケットの角度は垂直の①だとそのまま上に飛んで行ってしまいます。
②の水平ですとボールを当てることは不可能です。
ですから③や④の様に『下向き』に当ててあげます。
回転が強ければ水平に近い③の様な角度で、弱ければ④の様にラケットを立ててあげます。
反発力が下回転とは違う
但し、下回転と上回転の弾み方は回転による反発方向の違いだけではありません。下回転が打球の進行方向に対して『相殺する』力が働くことやそもそも打つ時に進行方向と逆方向に力を与える打ち方なので球威がない打球であるのに対して、ドライブは打球の進行方向に力がかかっているので台を弾んでも球威の衰えが少なく勢いよくラケットを弾くので回転力を抑えると同時にボールの勢いも殺さなければなりません。
従ってドライブに慣れていない人にとっては『思っている以上』に球威を抑え込む角度が必要だということに気づくことになると思います。
ドライブの効果はその『軌跡』に顕著に現れる
ドライブの効果は相手のラケットに当たった時だけではありません。その打球の軌跡が下回転や『緩い上回転』や無回転(ナックル)とは大きく異なります。
強いドライブの打球は球が下向きに軌跡を描く力が働きます。
台の下から打ったボールは回転がかかっていなかったりした場合、打点の時にラケットがボールに与えた方向に力が働きます。
この場合、ネットを越えるため勢い良く上に向かって打つとそのまま相手のコートに弾むことなく飛んで行ってしまい、『オーバー』となってしまいます。
相手コートに入れるためには、打つ力を調節して球の勢いが程よく殺され、重力でボールが落ちるようにします。
この打ち方だと相手にとって程よいスピードでしか返球ができません。その軌跡は『放物線』を描きます。
ふわっとした打ち頃のボールを返してしまい易いのです。
しかし、上の図の様にドライブで返すと強い回転力によってボールの軌跡は下へ、下へと描きます。
そのためラケットで強くボールを当てても、
『ネットを越えたボールがそのままその勢いで相手コートに弾まずに飛んで行ってしまう』、
ということがありません。
放物線を描いたボールの軌跡よりもはるかに手前にボールは着地するのです。
ですから相手に厳しいコースを突かれて打点が下がってしまったような場合にも、
『お決まりのチャンスボールを返してしまう』という悪循環から抜け出させてくれます。
ドライブには攻撃的な側面だけに目が行きがちですが、防御にも強い武器となる打法なんですね。
相手にたやすくチャンスボールを返さないためにも覚えておきたい打法です。
ドライブは台の弾み方も違う
更にドライブが相手の台に弾んだ時にも他の打球とは異なります。上回転がかかっているということは、進行方向に対して『下へ、下へ』と軌跡を描きたがる打球なのは、打球してネットを越える時だけでなく相手の台を弾んだ後も維持されます。
この軌跡の傾向も回転力の強さに応じて変わります。
ドライブが他の回転と比べて『強く』かけることができる(し易い)打法であることから、強くその傾向が現れやすいのです。
『温泉卓球プレイヤー』から見ると、強いドライブがかかった打球は思っているよりも低い弾道を描くのです。しかも台に弾んだ後もスピードが維持されています。
台を弾んだ打球は『低く伸びる』ボールに見えます。
これに慣れていないプレーヤーは『差し込まれる』ような格好になって、『振り遅れ』て思う様に返球できないことになります。
ドライブを安定して返球するには…
ドライブは『低くて速い』軌跡で自陣を攻めてきます。これにまともに対応するのは難しいです。これに安定的に対応する比較的な対応方法は、
『速い打点』を心がけることです。
自陣の着地点を素早く予測して台に着地して弾んだ後すぐに打球することです。
スピードも回転も強くかかった打球を返球するには角度の調節が大変ですが、打点のブレを防ぐにはできるだけブレの確率が低い着地点付近で台に弾んだ直後のボールをラケットに当てることです。
当てるラケットの角度さえ間違えなければ意外に入ってくれます。
この時に狙うのはできるだけネットすれすれの高さにラケットの角度を調節して打球することです。
その時にもし相手のコートにバウンドすることなく『オーバー』してしまうようでしたら、それは打点が低すぎる、つまり打点が早過ぎるということですので、気持ち打点を遅らせて打点を上げてみます。
この打点の高さと打球の軌跡の関係は過去記事を参考にしてみて下さい。
⇒ 【「打点」の高さを意識する 「チョイうま卓球理論1」】
とにかく『適切な角度でラケットに当てる』ことだけに専念して下さい。
ラケットを振るようなことはせず、『当てるだけ』です。
ドライブは強烈な力とスピードがありますので、ラケットを振りまわすと余計な力で思わぬ方向に飛んで行ってしまったり、『角度の調節』の精度が下がるなどのデメリットがあるからです。
そして、もともと速い打球ですから当てるだけでも結構速い打球が返ります。
ですからコースさえ良ければそれだけで攻撃力があります。
無理してラケットを振りまわして高く上がった打球を返球するくらいなら、低い打点で相手のスピードを利用して鋭いコースに低い打球を返す方がはるかに『攻撃力』のある打球になるのです。
自信を持った相手のドライブを鋭いコースに返球してキマッた時には結構気持ちいいものです。
是非それを味わって欲しいものです。
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⇒ 【卓球の横の動き 『ストレート?』 『クロス?』の特性を知る 「チョイうま卓球理論6」】
【「打点」の高さを意識する】
【ネットからの距離が与える打球への影響と卓球の特性】
【「高さ」を意識して打球する コントロールがモノを言う】
【ピンポンが卓球に変わる 「回転(スピン)・下回転」を知る】
【ドライブの軌跡は? 「回転(スピン)・上回転」を知る】
【卓球の横の動き 『ストレート?』 『クロス?』の特性を知る】
【フォアからどんなコースを狙っていけばいい?】
【「このコースに打ってみろ!」パターン別に解説してみました】
観戦スナップ集
~ 世界卓球 2014 in 国立代々木競技場 第一体育館
会場の『国立代々木競技場 第一体育館』はこんな感じ
プレー中は静まりかえり固唾を呑んで見守ります
ニッポン!ニッポン!はやっぱりコレ!
ミスした時にため息はご法度です(笑)
下の記事は私と息子で観戦した世界卓球のレポートです。
卓球も世界レベルはみごたえ充分です!
⇒ 【『世界卓球』観戦記 スーパープレイと感動をもらった! 2014年 in 国立代々木体育館】
2014年世界卓球団体選手権東京大会/公式サイト
テレビ東京 世界卓球特設サイト
水谷隼 オフィシャルサイト 公式ホームページ
水谷隼 Amebaブログ
石川佳純オフィシャルウェブサイト
塩野真人の On your mark!
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はる さん、初めまして。
ご訪問&nice!ありがとうございます。
by chocobo (2014-09-22 12:47)
chocoboさん、コメントありがとうございます。
私の妻も少しだけ不自由しながら過ごしていますが、最近はブログも始めております。
よろしくお願いします。<(_ _)>
by はる (2014-09-22 15:44)
卓球ですか、昔卓球をしていたことがありますので懐かしいです。
by たかおじー (2014-09-27 00:09)
たかおじーさん、コメントありがとうございます<(_ _)>
卓球、やってらしたのですか?たまにやってみると結構面白いですよ。この週末に市民体育館、いってみませんか?!(^^)!
by はる (2014-09-27 00:29)